「たんぱく質」(BCAA)のサプリメント
競技におけるパフォーマンスを上げたい、そのためには必要なところに必要な筋肉をつけたい・・・と思っている競技者にとっては、筋肉の原料となるタンパク質やアミノ酸の摂取は、極めて日常的なものです。
しかし一方では、加齢に伴って筋肉量と筋力の低下が生じることが知られており、「サルコペニア」(以前は「廃用症候群」と訳されていましたが、最近では「筋減弱症」が一般的なようです)と呼ばれ、問題となっています。
そのような「サルコペニア」ですが、最近では、BCAA(特にロイシン)に改善効果が認められてきています。(*1)
それでは、日本人の「たんぱく質」やBCAAの摂取量は不足しているのでしょうか?
「たんぱく質」の1日摂取量は、成人男子(40-60歳)74-78g、成人女子(40-60歳)62-67gに対して、成人男子(70歳以上)では70g、成人女子(70歳以上)では60gとやや少ない傾向にあります。(女性の場合、40歳未満でも60g以下と少ない傾向にあります)(*2)
とはいえ、「たんぱく質」の推定平均必要量(と推奨量)は、成人男子(30-60歳)で50(60)g、成人女子(30-60歳)で40(50)gで(*3)、上記した1日摂取量は男女ともに推奨量を超えています。
また、「たんぱく質」に含まれるBCAAの量(バリン:39、ロイシン:59、イソロイシン:30(単位はいずれもmg/gタンパク質))から(*4)、「たんぱく質」の推奨量(男性:60g、女性:50g)を摂取した場合のBCAA摂取量は、以下の値となります。
♠男性:バリン2340g、ロイシン3540g、イソロイシン1800g
♥女性:バリン1950g、ロイシン2950g、イソロイシン1500g
国際機関(FAO/WHO/UNU)が2007年に定めた必須アミノ酸の必要量(*4、*5)のうち、BCAAの値は、バリン:26、ロイシン:39、イソロイシン:20(単位はいずれもmg/kg/日)であることから、男性の場合は60kgで、女性の場合は50kgで、概ね推奨量の1.5倍の量のBCAAが摂取されることとなります。
以上より、「たんぱく質」、BCAAともに、摂取量がやや少ない傾向にある70歳以上の男女においても、不足する可能性は少ないと推測されます。
ただし、70歳以上となると個人差も大きくなることが考えられるため、場合によってはサプリメントとして「たんぱく質」(BCAA)を摂取する価値があるように思います。
一方で、40歳未満の女性で末期の妊娠または授乳婦の方は、付加量があることから推定平均必要量にも達しない場合があるように思われ、そのような場合においては、サプリメントとして「たんぱく質」(BCAA)を摂取する価値が大きいと思われます。
(参考)
*1:「サルコペニアとアミノ酸栄養」(月刊FOOD Style 21 3月号 Vol.16 NO.3 http://www.ahs.ajinomoto.com/topics/pdf/foodstyle21_2012_0301_02.pdf
*2:平成22年国民健康・栄養調査報告http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h22-houkoku.html
*3:日本人の食事摂取基準(2010年版)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html
*4:「日本人の食事摂取基準」(2010年版)ブロック別講習会資料 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/pdf/blockbetu-shiryou03.pdf
*5:PROTEIN AND AMINO ACID REQUIREMENTS IN HUMAN NUTRITION http://whqlibdoc.who.int/trs/WHO_TRS_935_eng.pdf
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