「つま先を上げて」ワルツのリズムで優しく歩こう♪(小趾から拇趾への意識)
5月に、「「つま先を上げて」ワルツのリズムで優しく歩こう♪」と題する記事を投稿いたしました。
(例えば→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-23e3.html
)
この記事を投稿した際には「つま先=拇趾」という認識(それが通常ですが)であったのですが、
「歩行時に小趾を意識した方がいいタイミングはあるだろうか?つま先を上げて足が地面に接する時はどうだろうか?」
ということが、ふと疑問に感じられました。
そこで、「つま先を上げて」のタイミング(つま先を上げて足が地面に接する時=接床)において、拇指を意識した場合と小趾を意識した場合とを比較してみました。
その結果は、それぞれを意識した際に発生するモーメント(M)は
「拇趾を意識→足関節(足首)回外M→股関節外旋M」、「小趾を意識→足関節(足首)回外M→股関節内旋M」
であり、
「股関節外旋M=アクセル」、「股関節内旋M=ブレーキ」
と以前より私は捉えていることから、
前に進む以上は「接床時には拇趾を意識すべき」であると結論づける他ありませんでした。
しかし、ここで股関節の回旋を考慮に入れる必要が出てきたことから、それを含めてもう少し考えてみることにしました。
(「拇趾を意識→底屈M」、「小趾を意識→背屈M」である(と私は理解しています)ことも含めて考えてみました)
歩行周期を
A:接床・荷重応答、B:立脚中期・終期、C:前遊脚・遊脚前期、D:遊脚中期・終期
の4つの相に分けた場合、私が理想としている歩行における股関節の位置、運動、力は、以下の繰り返しになると捉えています。
A:外旋位、外旋方向、外旋M
B:外旋位、内旋方向、外旋M
C:内旋位、内旋方向、内旋M
D:内旋位、外旋方向、外旋M
※「「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」④アウトエッジ荷重」(http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-5f1e.html )参照
この中では上記の繰り返しの歩き方を「「人混みを掻き分け」るように歩く」と(あくまでも私だけが)表現しています。
ここに、足関節に働く力と拇趾・小趾のいずれを意識した方がいいかを付け加えると以下のようになります。
A:股関節(外旋位、外旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識(荷重はアウトエッジ)
B:股関節(外旋位、内旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識(荷重はアウトエッジ→小趾→拇趾)
C:股関節(内旋位、内旋方向、内旋M)、足関節(回内・背屈M)、小趾を意識
D:股関節(内旋位、外旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識
すなわち、
Ⅰ股関節が外旋位と内旋位を繰り返して水平面上で円を描く(右脚は時計回り、左脚は反時計回り)とともに、
Ⅱ足関節が回外・底屈~回内・背屈を円運動のように繰り返し(水平面:右脚は時計回り、左脚は反時計回り、前額面:右脚は反時計回り、左脚は時計回り)、
Ⅲ拇趾と小趾の間の意識もあたかも円運動のように繰り返す
「「人混みを掻き分け」るような歩き方」が身体に負担がかからず、理想的であるように思えました(もちろん③の意識も含めて、無意識に実行されるのが理想だと思っています)。
※これと対極にある歩き方は「「ものを掻き集める」ような歩き方」と前掲の「「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」④アウトエッジ荷重」において記述した歩き方で、私はこちらの歩き方は身体に負担がかかるものと捉えています。
「「人混みを掻き分け」るような歩き方」の特徴として、私が捉えているのは以下の点です。
①:遊脚の膝・足が前に直線的に進むことで、遊脚を効率的に速く振れる
②:支持脚期に外旋位となることで、水平面上で骨盤を大きく回旋できる
③:①②の結果として、ストライドが大きくなる
④:「接床・荷重応答~立脚中期・終期」における外旋Mを推進力とするため、より大きな力で前に進める
従来は上記の4点を考えていましたが、「前遊脚・遊脚前期:小趾」→「遊脚中期・終期:拇趾」のように意識を移動させることによって、
⑤:前遊脚~遊脚前期において小趾を意識することで遊脚中期・終期にまで背屈モーメントが継続し、つま先がより高く上がるとともに膝が伸びて、ストライドが大きくなる
⑥:接床時に拇趾を意識することで既に底屈モーメントが作動し、前方にブレーキがかからない
⑦:⑥の結果として、ヒールロッカーが滑らかに起こり、腰が前に速く乗り込み、前に速く進める
の合計7点の特徴がある、速く歩ける歩き方(であるとともに身体に優しい歩き方)であると捉えています。
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