♪このひと月・・・現在進行中のことゆえ結論らしきことは何も言えないのですが、ロシアのウクライナ侵攻には、本当に心が痛みます。特に原発への攻撃は狂気の沙汰の暴挙と思わずにはいられないのですが、自分にはいったい何ができるのか。。。
オミクロン株も北京冬季パラリンピックも、どうでもいいように思われて仕方がありません。
◆個人的には:「発見!武蔵の極意」高岡英夫著(さくら舎)を読みました。
・この本は、既に読んだことのある「宮本武蔵は、なぜ強かったのか?」の再出版だったのですが、それを知らずに(続編だと勝手に解釈して)購入してしまいました。
一部を除いてほとんど同じ内容なのですが、結果として前書を読んだ時とはかなり異なる読み方ができたことに、偶然とは思えない幸運を感じています(※1)。
前書では、宮本武蔵『五輪書』の
「身のかゝり」の「ひざより足先まで力を入れて」と「太刀の持ちやうの事」
に主に関心を抱いたのに対して、今回、気になったのは
「水を本として、心を水になる也」(地の巻)と「身のかゝり」の「うらやかに見ゆるかを(「かを」と記載されていますが「かほ」が正しい表記だと思います)」
でした。
この中で、今月は、「うらやかに見ゆるかほ」について感じることを述べたいと思います。
・高岡氏によると、
『いわゆる平常「心」ではなく、平常「身」こそ肝要だと教えている・・・「うらやかに見ゆるかを」こそが、ずばり武蔵のいう「平常身」なのです。』(原文ママ)
ということで、平常時の「心」とともに「身」(=「うらやかに見ゆるかほ」)の重要性に言及しています。
そして、武蔵は死と隣り合わせの戦闘の状況の中、最高のパフォーマンスを発揮するために、恐怖と緊張が極度に達する場面でも平常時と同様に「うらやかに見ゆるかほ」(おだやかに見える顔つき)を保っていた。
それほどまで心身がゆるんでいたということにおいて、武蔵の身体能力の高さが示されていると解釈しています。
すなわち、高岡氏は、平常時でも戦闘時でも、「うらやかに見ゆるかほ」で「ゆるむことによるパフォーマンス向上」を武蔵が得ていたことの重要性を指摘しており、私も同意します。
・ただし、高岡氏が言及していないこととして、以下の点が私にはとても重要であるように感じました。
それは、「身のゆるみ」(身の状態)を得るために、武蔵は「おだやか」(心の状態)でありなさいと言っているのではなく、「おだやかに見える顔つき」(イメージ)をしなさいと言っているということ。
それも、単に「おだやかな顔つき」をしなさいではなく、「見える」ということばを入れることによって、「おだやかな顔つき」をイメージせざるを得ない状況を作っているということ。
このことによって、単に「おだやか」(心の状態)であろうとすることよりも、おだやかな顔つきをしている自分を自分自身が認識することによって、より効果的に「おだやか」な心の状態が得られ、続いて、「身のゆるみ」が得られるというプロセスを武蔵は理解し実践していたのではないかと推測します。
言い換えれば、平常時と同じ高いパフォーマンスの発揮につなげるためには、自分(の潜在意識と言った方がいいでしょうか)に対して、「今は恐怖や緊張とは無縁の状況である」と騙すことが重要であり、そのためには、イメージの力が効果的であることを武蔵は熟知していたように感じました。
・実は、もしかすると「うらやかに見ゆるかを」の「見ゆる」の対象は、自分自身とともに、「神」という言葉で代表される「開運をもたらす存在」も含まれるのではないかと感じています。
流石にそこまで武蔵が考えていた確証は全くありませんが(むしろ『独行道』に武蔵は「仏神をたのまず」と書いています(※2))、「パフォーマンス向上」のみではなく「運を味方につける」ことも武蔵の強さを支えていたように思えて仕方がありません。
いずれにしても、「イメージ⇒心の状態⇒身の状態」の流れを、400年も前に『五輪書』で武蔵は指摘していたと想像することで、武蔵の偉大さが改めて感じられます。
このようなことから、最近は常日頃「うらやかに見ゆるかほ」をイメージすることで「運を味方につける」ことができるかどうかを愉しみながら試しているところです。よかったら、皆さんもお試しあれ。
今月は以上で♪
※1:私の勘違いかもしれませんが、前書とともに、第四章の第一段落の後に、以下の文章(『五輪書』からの引用)が欠落しているように思われます(最もといってもいいほど(私が感じている)重要な部分なのですが・・・)。
「身のかゝり、顔をうつむかず、あふのかず、かたむかず、ひずまず、目をみださず、ひたひにしわをよせず、まゆあひにしわをよせて、目の玉うごかざるやうにして、またゝきをせぬやうにおもひて、目をすこしすくめるやうにして、うらやかに見ゆるかほ、鼻すぢ直にして、少しおとがひを出す心なり。
くびはうしろのすぢを直に、うなじに力をいれて、肩より惣身(そうみ)はひとしく覚え、両のかたをさげ、脊(せ)すぢをろくに、尻を出さず、ひざより足先まで力を入れて、腰のかゞまざるやうに腹をはり、くさびをしむるといひて、脇差(わきざし)のさやに腹をもたせて、帯のくつろがるやうに、くさびをしむるといふをしへあり。」
(『五輪書』(全訳注鎌田茂雄)、講談社学術文庫からの引用)
※2:ただし、私の勝手な解釈ですが、『独行道』は宮沢賢治の『雨ニモマケズ』のように、最後に「サウイフモノニワタシハナリタイ」のような一文が隠されているような気がして仕方がありません。。。
◆2月のイベントへの参加は以下の3件でした♪
オミクロン株による感染再拡大の影響で、まだまだ普通の生活は遠そうです。
・2/10(木) MCEI大阪支部 2022年2月度 定例会(オンライン参加)
・2/19(土) 大阪マスターズ陸上競技連盟通常総会
・2/20(日) 枚方市スポーツ推進委員「パナソニック・パンサーズ」観戦企画
◆今月のことば:「“いい出会い”を見極める極意・・・それは、自分の呼吸を、よくよく感じてみること・・・「息が詰まる」か「息が深くなる」か。」(羽賀ヒカル「出会いの教科書」(クローバー出版)より)
◆3月の予定:
・3/8(火),22(火) 枚方市ノルディック・ウォーク講座(大阪・枚方)(担当分)
・3/10(木) MCEI大阪支部 2022年3月度 定例会(オンライン参加)
最近のコメント