2022年の12月
♪このひと月・・・防衛費増額の財源に関してやや迷走している感はありますが、安保3文書改定によって敵基地攻撃能力が明記されたことで、ようやく我が国も当たり前の国になれたように感じたひと月でした。
◆個人的には:
先月は、学会大会での発表内容を『ウォーキング研究』に投稿した旨を報告しました。現在、査読結果に従って大幅に書き直して再投稿したところです。
『「自然落下遊脚」と「太刀の腕振り」を使う歩き方の効用』にポイントを置くことで、よりお役に立てればと思っています。
先月は「立脚中期」に関して述べました。今月は、歩行周期の次のステップの「立脚終期」に関してです。
「・立脚終期:(観察肢の踵が地面(床)から離れる瞬間から)観察肢の踵が地面(床)から離れる瞬間反対側の脚の初期接地まで、【役割】支持脚の直上を越えて身体を前に運ぶ」
この「立脚終期」のポイントと意識することに関して、以下、まとめました。
【ポイント】 MTPロッカー
【意識すること】PIP関節(近位趾節間関節)(※)屈曲の状態でMTP関節(中足趾節関節)の脱力(屈曲モーメントを素早くゼロに)
※:拇趾ではIP関節(趾節間関節)だが、併せてPIP関節と記載する
○(PIP関節屈曲で) MTP関節の瞬間的な脱力による膝の自然落下(結果としてMTP関節が素早く伸展)により、踵が挙上するとともに、膝が股関節を支点とする振子運動(※)をして前方に振り出され、前方向への推進力が得られる。
※:遊脚二重振子の1番目の振子運動(2番目の振子運動は「前遊脚期」における膝を支点とする脛骨の振子運動)
○この際、PIP関節屈曲とすることで、骨盤前傾が維持され、ベクトルが下向きに垂れてしまうことが防げるように感じるとともに、引き続き前遊脚期における「PIPロッカー」を機能できる(※)。
※: PIP関節屈曲とすることで、MTP関節とPIP関節が重なり合いながら連続して伸展することを防ぐことにより、PIP関節の瞬間的な脱力が可能となるものと推測する。
○一方で、MTP関節に屈曲モーメントをかけながら徐々に伸展させると(引き続いて、PIP関節も徐々に屈曲から伸展)、前向きの力が吸収されてブレーキがかかってしまう(従来の説明におけるフォアフットロッカーの機能)。
○立脚中期における、「(アンクルロッカーによる)足関節の背屈と(MTPロッカーによる)MTP関節の伸展が重なり合いながら連続して生じること」(①)と同様、「MTP関節に屈曲モーメントをかけながら徐々に伸展させること(引き続いて、PIP関節も徐々に屈曲から伸展)」(②)も従来の説明におけるフォアフットロッカーの機能として、望ましいこととして推奨されてきたようにも感じる。
○ただし、②も①と同様に、(引き続いて前遊脚期における)「PIP関節の瞬間的な脱力による脛骨の自然落下(結果としてPIP関節素早く伸展)」 (膝を支点とする脛骨の振子運動(※))が得られないことから、前方向への推進力は減少するように感じる。
※:遊脚二重振子の2番目の振子運動(1番目の振子運動は「立脚終期」における股関節を支点とする膝の振子運動)
○また、この時点において、母指球で地面を押さえつけようとするとMTP関節に屈曲モーメントがかかってしまい、「MTP関節の瞬間的な脱力による膝の自然落下(結果としてMTP関節素早く伸展)(股関節を支点とする膝の振子運動(※))が阻害されて前方向への推進力は減少するように感じる。
※:遊脚二重振子の1番目の振子運動(2番目の振子運動は「前遊脚期」における膝を支点とする脛骨の振子運動)
○MTP関節が素早く伸展する際、これ以上伸展できない角度(概ね60°(※1、※2))に達すると、結果として、落下の慣性力で膝が前足部(拇趾球または小趾球)を地面に押すことになると推測する。
※1:「観察による歩行分析」、Kirsten Götz-Neumann(月城慶一他訳)(2005)、医学書院、p.43
※2:「動作分析 臨床活用講座」、石井慎一郎(2013)、メジカルビュー社、p.175
○すなわち、拇趾球で地面を押すことを意識するのではなく、結果として前足部(拇趾球または小趾球)が地面を押すことを認識することが重要だと感じる。
落下の慣性力で膝が前足部(拇趾球または小趾球)を地面に押すことになった時点において、PIP関節が屈曲していないと、MTP関節とPIP関節が重なり合いながら連続して伸展してしまう。
○一方で、PIP関節屈曲とすることで、落下の慣性力で膝が前足部を地面に押すことになった直後において(「前遊脚期」で)、PIP関節の瞬間的な脱力による脛骨の自然落下が可能となる。
結果としてPIP関節が素早く伸展することにより(脛骨が膝を支点とする振子運動(※)をして)、脚が素早く離地して遊脚となり、前方向への推進力が得られるように感じる。
※:遊脚二重振子の2番目の振子運動(1番目の振子運動は「立脚終期」における股関節を支点とする膝の振子運動)
「初期接地」~「立脚中期」と同様に、現時点では上記したことを感じていますが、修正、追加等、適時行っていきます。
今月は以上で♪
◆12月のイベントへの参加は以下の2件でした♪
まだまだ氣を抜けない状況が続きますが、気持ちを新たに過ごしていきたいと思います。
・12/4(日) 第10回淀川寛平マラソン(淀川河川公園)(審判)
・12/8(木) MCEI大阪支部 2022年12月度 定例会(オンライン参加)
◆今月のことば:「そもそも、現代の科学は、「物質」から「意識」というものが、どのようにして生まれてくるのかを、説明できない・・・むしろ、現在、もっとも注目されているのは、「そもそも『物質』そのものが、極めて原初的な次元で『意識』を持っているのではないか」という仮説である。」(田坂広志「死は存在しない」(光文社新書)より)
◆1月の予定:
・1/12(木) MCEI大阪支部 2023年1月度 定例会(オンライン参加)
・1/29(日) 第42回大阪国際女子マラソン(審判)
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