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二軸動作

2018年4月15日 (日)

「ヒトは地上最速の動物だった」読後感

「ヒトは地上最速の動物だった」高岡英夫著(講談社)を読んで感じたことをまとめました。 (⇒から後が私の感想です)

◆人間の場合は、両脚を互い違いに前後に動かす股関節周囲の筋群が主な駆動筋です。そして、体幹部による前後へのあおり運動も、左右への波動運動も、体幹を軸とした軸回り運動も、どれもきわめて抑制されています。・・・それに対し四足哺乳動物では、体幹部を前後に大きく屈伸するあおり運動が見られ、・・・エリマキトカゲでは、体幹部を左右方向にクネクネさせる波動運動が見られ・・・体幹部の軸回り運動も見られ・・・。
今日の走行運動や歩行運動の理論では、脚は平行に使うのが常識となっています。ゆえに、ガニ股には、安定感はあるがアジリティは低い、という図式が成り立っています。・・・その図式の誤りが認識されるようになれば、真に速い動きを身につけたいと思っている人々は、いずれエリマキトカゲのような“ガニ股走法”をやりだすのでは、と私は推測しています。
⇒上記2つの文章を読んで、実際に「脚は平行に使うのが常識となっています。」ことに反して、歩行時に「脚を前に出す意識」を「脚を外側に出す」意識に変えてみました。
するとどうなったかと言えば・・・
脚を「前」ではなく「外側」に出す意識で歩いても、実際の脚は前に出ているし、何も不都合なことは生じませんでした(特に「ガニ股」にもなっていない・・・)。
意識の違いによって、どのようにアウトプットが変化するのか、に関しては、これから検証していきたいと思っていますが、“ガニ股走法”(私の場合は歩行法ですし、正確には“ガニ股意識歩行法”となりますが)の可能性があるのではないかと思うと、ワクワクしてきます。
ちなみに、高岡氏は「真に速い動きを身につけたいと思っている人々は・・・」と書いていますが、高岡氏自身どうしてやりださないのか、不思議で仕方がありません。

◆人間の身体つきに目をやると、人間の身体はX軸方向(前後)に偏平だということがわかります。・・・このような形状の身体が、構造上、Z軸方向(左右)に激しい運動をするのに適しているのは明らかです。つまり、人間の身体つきというのは、基本的にY・Z平面上(上下左右の面)での運動に向いた構造をしているということです。・・・X・Z平面で表現すると、XとZの中間方向上、つまりは斜めに脚を振子運動させるのに一番適したカタチをしている。
⇒先述した「脚を外側に出す」意識の歩行法は、フィットネスのサイドステップのような感じで歩くことから、「サイドステップ歩行法」と私は勝手に呼んでいます。「サイドステップのような感じで」という意味では、「Y・Z平面上(上下左右の面)での運動」ということになります。いずれにしても、アウトプットの検証はこれからです。

◆速さを決めるのは重心落下点-支持点差であり、その差を決めるのは身体の傾き(「傾倒度」)であるということが、ここまでの議論で明らかとなりました。
深傾倒度を可能にする条件にはどんなものがあるのでしょうか。
第一条件:アシを前方へ挙上する筋肉を、大腿直筋から腸腰筋にチェンジしてしまえばよい・・・しかしそれには二つの問題があります。①このチェンジが簡単なことではないこと:身体も心もゆるめればいい②腸腰筋が強力にスイッチオンし、それに比して大腿直筋が使われなくなると・・・ガニ股になってしまう:必然的に素晴らしい恩恵をもたらす。
第二条件:アシの全関節を、自由運動できるようにプラプラに解放して、アシを超高速で動作させること。(「双鞭運動」)
第三条件:足首の関節が強靱であると同時に。クニャクニャでも足りないほど柔らかいこと。そして足首の深い屈曲に抵抗する可能性のある・・・筋肉などが・・・自在に脱力し得ること。
⇒第一条件は、私も重要だと感じています。「脚を前方へ挙上する」というよりは、(重力を利用して脚を前に進める際に)重力によって落とされた脚を「元に引き戻す(挙げる)」ことに私はポイントを置いているのですが、おそらく同じことを言っているように思います。
そして、これは、「脳卒中片麻痺の特徴的な歩行」と言われている 「ぶん回し歩行」に通ずるものがあるように感じています。
そもそも、どうして「ぶん回し歩行」をせざるを得ないのか?と考えると、「重力を利用せざるを得ない」ということなのでは、と感じています。
第二条件の「プラプラに解放して」についても、第一条件のところで述べたことと同様のことが言えると思います。
また「超高速」の部分は、パーキンソン病に特徴的な「小刻み歩行」が想起されます。
「小刻み歩行」は、姿勢障害によると言われていますが、「深傾倒度」自体が一種の姿勢障害のような気がしています。
第三条件は、第一・第二と比較すると、そこまで必要だろうか、と私は感じています。
いずれにしても、「ぶん回し歩行」や「小刻み歩行」のように、通常歩行ができない(動きに制約のある)方々の歩行が参考になるように感じています。

2018年3月24日 (土)

「宮本武蔵は、なぜ強かったのか?」読後感

『「足のはこびやうの事」(宮本武蔵「五輪書」水之巻)に関する考察』でも触れた「宮本武蔵は、なぜ強かったのか?」 高岡英夫著(講談社) を読んで感じたことをまとめました。 (⇒から後が私の感想です)
・「うらやかに見ゆる顔」(高岡氏は「かを」と書いているが、実際には「かほ(顔)」)・・・武蔵はうらやかに見える顔で、戦闘し人を斬っていたのです。 ⇒私の場合(私だけではありませんが)、戦闘で人を斬ることはありませんが、どのようなレースにおいても、「うらやかに見える顔」で臨むことの重要性を認識できたことが、今回本書によって「五輪書」を読み直したことによって、得られた最大の収穫であったように感じています。
・「ひざより足先まで力を入れて」・・・弓道の「離れ」の前提状態と同じ状態のこと・・・いざというときはブレーキを解放し一気に動き出す。 ⇒「つまさきを少しうけて」(MTP関節(中足趾節間関節)を屈曲→伸展として)の前段階として、膝で足先を押さえつけること(足先のMTP関節が屈曲している状態)の記述として「ひざより足先まで力を入れて」があることにこれまで気が付きませんでした。 この二箇所を合わせて解釈することにより、「つまさきを少しうけて」が「両脚支持期→単脚支持期」の瞬間において離地する遊脚に対する心得を記述したものである可能性が高まってきたようにも思います。 加えて「ひざより」の記述があることから、離地直前においては、屈曲させたMTP関節を膝で押さえつけておき、離地の瞬間にはMTP関節を伸展させることで、重力の力を借りて、自然と前方に遊脚が振り出されるものと解釈できます。
・相手が一刀、受け手側が二刀ならば、半ば無意識に、左の剣が相手の剣を受け流すようにして下に押さえてしまい、同時に右の剣は相手の頸動脈に入ってしまうというようなことが、我知らず起こってくるのです。 ⇒これまで私は二刀流の刀の使い方をよくわかっていなかったのですが、上記のような使い方をするのであれば、何となく「中心軸動作=一刀流、二軸動作=二刀流」のような対比も可能なのではと感じました。 特に、私はこれまで、「歩き方を二つの軸で考える」として、「股関節の回旋方向:内回り型外回り型」をひとつの軸として考えてきました。(ちなみに、もうひとつの軸は「骨盤の回転方向(肩甲骨、肩も同方向に回転):クロール型背泳ぎ型」) そして、この「内回り型外回り型」というのは、「内回り型=搔き寄せ歩行=中心軸動作=一刀流」「外回り型=掻き分け歩行=二軸動作=二刀流」とも対比可能な歩行のことだと感じた次第です。
・「あゆむ(歩む)がごとし」:ドーンと床を踏み抜くような足づかいでないのは明らか・・・「片足ふむ事有るべからず」:片足だけ動かすことがないように。 ⇒この部分は、一般的にも「歩くように」であるとか、(高岡氏も書いているように)「片足だけ動かすことがないように」であるとか解釈されているようですが、そもそも現代の剣道(と私が理解しているもの)は、「歩くように」足を動かす「歩み足」(左右の足を交差させる足さばき)ではなく、「送り足」(右足を踏み出したら左足は右足を追い越さない足さばき)を標準としているように見受けられます。 この部分は、「送り足」(一般的には「片踏み」と言われている足の運び方)ではなく、「歩み足」としなさい、と言っていると思うのですがいかがでしょう?

2018年3月17日 (土)

「足のはこびやうの事」(宮本武蔵「五輪書」水之巻)に関する考察

今年(2018年)の大阪マスターズ陸上競技連盟の通常総会の後の講演会で、村上充先生の「自然で楽しくなる走法 怪我せず100歳まで走ろう」を聞かせていただきました。

その中には

「今までの常識を変える!? 「腕をしっかり前後に振る」…×です、「母指球で強くキックする」…×です、「あごを引いて走る」…×です」

があり、私が「意識してはいけない」と言っている6つのことの中の3つまでが共通していて、大先生を前に恐縮ではありますが、とても親近感を抱かせていただきました。

共通していることのひとつの

「「大きく腕を振る」ことを意識してはいけない」

ことについての私の考えを先月ブログ等にアップし、その内容を村上先生にお送りしたところ、高岡英夫氏の「宮本武蔵は、なぜ強かったのか?」を読むことを勧められました。そして、高岡氏の本を読ませていただいた結果、以下の内容を考察する機会を得ました。

 

村上先生から高岡氏の本を勧められたのは、

「足のはこびやうの事、つまさきを少しうけて、きびすを強くふむべし」(宮本武蔵「五輪書」水之巻 第五節 足づかいの事)

についての私の考え(後述)を示したことに対してなのですが、私が五輪書のこの部分に興味を抱いたのは、「常歩研究会」の小田伸午先生(関西大学教授)や木寺英史先生(九州共立大学教授)の影響を受けてのことです。

その「常歩」(ここでは「中心軸動作ではない、所謂なんばと言われる二軸動作」とだけ示しておきます)の動きの特徴のひとつが「踵(きびす)を踏む」ことであり、「つま先(拇指球)で地面を蹴るのではなく、踵を地面に残す」ことが、前に進むための効果的な動作であることから、興味を抱いた次第です。

 

ただし、「常歩研究会」では「つまさきを少しうけて」を支持脚の「つま先を少し浮かせて」と解釈していたのですが(高岡氏も同様)、私の感覚では、支持脚(踵を踏む側の脚)のつま先(MTP関節:中足趾節間関節)は、離地直前までは屈曲⇒離地時に伸展であると捉えていたことから、「つま先荷重を少し受けて」と解釈していました。

 

この度、高岡氏の「宮本武蔵は、なぜ強かったのか?」を読む機会を得て、「足づかいの事」について考え直してみたことで、以下の点を改めて疑問に感じました。

・「足のはこびやうの事」と言っているのに、片方の脚の記述だけということは不自然ではないか?

・高岡氏は「重要なのは軸足(前後の記述から支持脚)」と言っているが、本当に重要なのは支持脚の方なのだろうか?

・「常歩研究会」では「支持脚ではなく、遊脚が軸足」が重要だとしているのに、どうして支持脚の記述だけで納得しているのか?

 

そして、結論として、「足のはこびやうの事、つまさきを少しうけてきびすを強くふむべし」を私なりに以下の内容で解釈するに至りました。

①「足のはこびやうの事」⇒主に「両脚支持期→単脚支持期」における歩行動作の解説

②「つまさきを少しうけて」⇒「両脚支持期→単脚支持期」の瞬間において離地する遊脚に対する心得

③「きびすを強くふむべし」⇒「両脚支持期→単脚支持期」の瞬間において地面に残る支持脚に対する心得

 

以下、②③について説明します。

まず、②「つまさきを少しうけて」について。現代語は「つま先を少し浮かせて」であり、これまで「常歩研究会」や高岡氏の説明と変わらないのですが(その意味では私の「つま先荷重を少し受けて」は間違っていたと認めざるを得ないのですが)、「踵を強く踏む」側の脚(=支持脚として残る脚)ではなく、離地して遊脚となる脚に対しての心得の記述だと私は解釈しました。

この「離地して遊脚となる脚」は、足関節がやや背屈した状態で、MTP関節は、先述したように、離地直前まで屈曲しているのが私の感覚です。

そして、このMTP関節を屈曲→伸展とすることで、「つま先を少し浮く」状態となります。この少し浮いたことが引き金となって、膝が抜け、腰が抜け、足が地面から少しだけ離れて、重力で前に振り出されると私は解釈しました。

ここで、足が地面から離れるのは「少しだけ」であることから、武蔵が「嫌ふ足」としている三つの足のひとつである「浮足」にはならないものと捉えています。

ただし、膝と腰が続いて抜けるためには、腰及び下肢部が脱力している(ゆるんでいる)必要があり、この点は高岡氏と同様の感覚だと感じています。

 

このように、「つま先を少しうきて」は遊脚の作り方であるというのが私の解釈です。

そして、両脚支持期から単脚支持期への移行に際しては、単脚支持期に支持脚として残る側の脚よりも、離地して遊脚になる側の脚の方が「引き金」として機能していることから、より重要であることを改めて認識する必要があると考えます。

この点、「支持脚ではなく、遊脚が軸足」を重要なポイントとしている「常歩研究会」と、同様の感覚だと感じています(と言うより、そもそも私の感覚が「常歩研究会」の影響を強く受けているのですが・・・)。

ちなみに、遊脚は英語ではswing leg(又はfree leg)ですが、上記したように重力を利用して前に振り出されるのであれば、swung legの方が感覚的にしっくりくるように感じています。

 

次に③「きびすを強くふむべし」について。この部分はこれまで特に違和感なく「つま先(拇指球)で地面を蹴るのではなく、踵を地面に残す」ことと捉えていたのですが、この機会に見直してみると、「きびすを」踏むと言っているのであって、「きびすで」踏むとは言っていないことに改めて気づきました。(この部分、現代語を基準として考察するしかないのですが・・・)

すなわち、踵が地面を踏むとも、踵で地面を踏むとも言っていない以上、「きびす」は目的語=対象であって、主体でも手段でもないと捉えるべきでしょう。

では、何が(or何で)踵を踏むと捉えるのが適切でしょうか?

可能性としては、「膝」「尻」「腰」「肚(腹)」などが候補となると思いますが、私の感覚では(「踏む」踵と同側の)「尻」が適切であるように捉えています。(「腰」でも同様かもしれません)

「膝」で踵を地面に押さえつけようとすると、腰が後に残ってしまう感じがしてしまいます(私のスキル不足かもしれません)。

また、「肚(腹)」は尻や腰のように大きな円を描いた運動ができないので、動きが小さくなってしまうように感じています。

一方で、「尻」で踵を踏む(正確に言えば、踏むことを意識する)ことによって、支持脚側の腰が前方にスムーズにスライドすることが可能となるように感じています。

その結果、「つま先を少し浮かせ」たことが引き金となって前に出始めた遊脚とともに、踵を踏むことでアクセルをかけて、全身を前方に素早く進めることができるものと捉えています。

ちなみに、武蔵は「強く」踏むべしと言っていますが、「強く」というのは、力を込めるのではなく、「強く」意識するということだと捉えています。

「尻(腰)」が大きく踵を押さえつけるためには、腰及び下肢部が脱力している(ゆるんでいる)必要があり、この点においても高岡氏と同様の感覚だと感じています。

 

このように、「きびすを強くふむべし」は支持脚の意識の仕方であるというのが私の解釈です。

離地して遊脚になる側の脚とともに、支持脚として残る側の脚も意識する。

このことによって、両脚支持期から単脚支持期への移行が速やかとなり、全身を前方に素早く進めることができ、気配を察せられずに、相手に切り込むことなどが可能となるものと推測します。

 

以上、「足のはこびやうの事」は、主に「両脚支持期→単脚支持期」における歩行動作を解説したものと捉えていますが、武蔵は同じ「足づかいの事」で「足づかいは・・・常にあゆむが如し」あるいは「片足ばかり動かさぬ物なり」と書いていることからも、歩行動作として、上記したことを意識することが大切だと私は解釈しています。

2015年8月30日 (日)

「つま先を上げて」ワルツのリズムで優しく歩こう♪(小趾から拇趾への意識)

5月に、「「つま先を上げて」ワルツのリズムで優しく歩こう♪」と題する記事を投稿いたしました。
(例えば→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-23e3.html

この記事を投稿した際には「つま先=拇趾」という認識(それが通常ですが)であったのですが、
「歩行時に小趾を意識した方がいいタイミングはあるだろうか?つま先を上げて足が地面に接する時はどうだろうか?」
ということが、ふと疑問に感じられました。
そこで、「つま先を上げて」のタイミング(つま先を上げて足が地面に接する時=接床)において、拇指を意識した場合と小趾を意識した場合とを比較してみました。
その結果は、それぞれを意識した際に発生するモーメント(M)は
「拇趾を意識→足関節(足首)回外M→股関節外旋M」、「小趾を意識→足関節(足首)回外M→股関節内旋M
であり、
「股関節外旋M=アクセル」、「股関節内旋M=ブレーキ」
と以前より私は捉えていることから、
前に進む以上は「接床時には拇趾を意識すべき」であると結論づける他ありませんでした。

しかし、ここで股関節の回旋を考慮に入れる必要が出てきたことから、それを含めてもう少し考えてみることにしました。
(「拇趾を意識→底屈M」、「小趾を意識→背屈M」である(と私は理解しています)ことも含めて考えてみました)
歩行周期を
A
:接床・荷重応答、B:立脚中期・終期、C:前遊脚・遊脚前期、D:遊脚中期・終期
4つの相に分けた場合、私が理想としている歩行における股関節の位置、運動、力は、以下の繰り返しになると捉えています。
A
:外旋位、外旋方向、外旋M
B
:外旋位、内旋方向、外旋M
C
:内旋位、内旋方向、内旋M
D
:内旋位、外旋方向、外旋M
※「「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」④アウトエッジ荷重」(http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-5f1e.html )参照
この中では上記の繰り返しの歩き方を「「人混みを掻き分け」るように歩く」と(あくまでも私だけが)表現しています。

ここに、足関節に働く力と拇趾・小趾のいずれを意識した方がいいかを付け加えると以下のようになります。
A
:股関節(外旋位、外旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識(荷重はアウトエッジ)
B
:股関節(外旋位、内旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識(荷重はアウトエッジ→小趾→拇趾)
C
:股関節(内旋位、内旋方向、内旋M)、足関節(回内・背屈M)、小趾を意識
D
:股関節(内旋位、外旋方向、外旋M)、足関節(回外・底屈M)、拇趾を意識

すなわち、
Ⅰ股関節が外旋位と内旋位を繰り返して水平面上で円を描く(右脚は時計回り、左脚は反時計回り)とともに、
Ⅱ足関節が回外・底屈~回内・背屈を円運動のように繰り返し(水平面:右脚は時計回り、左脚は反時計回り、前額面:右脚は反時計回り、左脚は時計回り)、
Ⅲ拇趾と小趾の間の意識もあたかも円運動のように繰り返す
「「人混みを掻き分け」るような歩き方」が身体に負担がかからず、理想的であるように思えました(もちろん③の意識も含めて、無意識に実行されるのが理想だと思っています)。
※これと対極にある歩き方は「「ものを掻き集める」ような歩き方」と前掲の「「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」④アウトエッジ荷重」において記述した歩き方で、私はこちらの歩き方は身体に負担がかかるものと捉えています。

「「人混みを掻き分け」るような歩き方」の特徴として、私が捉えているのは以下の点です。
①:遊脚の膝・足が前に直線的に進むことで、遊脚を効率的に速く振れる
②:支持脚期に外旋位となることで、水平面上で骨盤を大きく回旋できる
③:①②の結果として、ストライドが大きくなる
④:「接床・荷重応答~立脚中期・終期」における外旋Mを推進力とするため、より大きな力で前に進める
従来は上記の4点を考えていましたが、「前遊脚・遊脚前期:小趾」→「遊脚中期・終期:拇趾」のように意識を移動させることによって、
⑤:前遊脚~遊脚前期において小趾を意識することで遊脚中期・終期にまで背屈モーメントが継続し、つま先がより高く上がるとともに膝が伸びて、ストライドが大きくなる
⑥:接床時に拇趾を意識することで既に底屈モーメントが作動し、前方にブレーキがかからない
⑦:⑥の結果として、ヒールロッカーが滑らかに起こり、腰が前に速く乗り込み、前に速く進める
の合計7点の特徴がある、速く歩ける歩き方(であるとともに身体に優しい歩き方)であると捉えています。

2015年5月30日 (土)

「つま先を上げて」ワルツのリズムで優しく歩こう♪

以前、「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」と題する一連の記事を投稿いたしました。

(例えば→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-c5c6.html

この度、この「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」の動きに「つま先を上げて」を加えることで、より「身体に優しく」「怪我をしにくく」、そして「速く歩ける」歩き方がお伝えできると考えましたので、以下、述べさせていただきます。

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競歩のトレーニングのひとつに、両足のつま先を上げて、すなわち踵の部分だけで立って、その状態でゆっくりと歩くというものがあります。

(実際に歩いてみればわかると思いますが、すねの部分がかなり痛くなってきます。)

これは競歩の歩型違反のひとつである「ベント・ニー」のリスクを減らすために、できるだけつま先を高く上げた状態で着地することを目的としたものです。

 

一方で、これまで私は、競歩のトレーニング以外のウォーキングの指導において、「つま先を上げる」ことにはポイントを置いてきませんでした。

むしろ、「歩幅が広くなれば自然とつま先は上がってくるので、あまり意識しないように」と言ってきたほどです。(ここで「歩幅が広くなれば」と書きましたが、これは「大股で歩こう」と意識するのではなく、お尻で踵とを後ろに押すことで、自然に「歩幅が広くなる」ものです)

(「お尻で踵とを後ろに押すこと」に関しては、こちらを参照→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/1-b303.html

その理由は、一般に「つま先を上げて、踵からしっかり着地」することがよい歩き方として広まっているようですが、私はこの「つま先を上げて、踵からしっかり着地」という言葉(表現)から一般の方が受け取られる歩き方は、「つま先を上げて、踵でしっかりと前にブレーキをかける(あるいは上から下に叩き付ける)」歩き方だと推測されたからです。(一般によい歩き方として広まっている「大股で歩こう」と意識すると、なおさらこのような歩き方になると思われます)

そして、このような「踵でしっかりと前にブレーキをかける(あるいは上から下に叩き付ける)」ような歩き方では、速く歩けないだけではなく(速く歩くことが目的の一般の方はほとんどおられないかもしれませんが)、関節部分にも筋肉部分にも負荷がかかってしまって、怪我のリスクが高まると考えたからです。

 

では、どうして競歩のトレーニングでは、「つま先を上げる」ことを意識してもよかったのでしょうか?

その理由は、つま先を上げて着地するとともに、踵で前にブレーキをかけないことにもポイントを置いているからです。

「踵からしっかり着地」のように、様々に(前にブレーキをかけたり、上から下に叩き付けたり)解釈できてしまう曖昧な表現ではなく、できる限り具体的にイメージ可能な表現を用いることで、より速くしかも身体に負荷のかからない優しい歩き方がお伝えできるのではないか?

このように考えたことから、一般のウォーキング指導においても、「つま先を上げる」ことにポイントを置こうと考えました。

 

では、つま先を上げて着地する際に、もうひとつ意識しなければいけない「踵で前にブレーキをかけないためのポイント」は何でしょうか?

それは、以前にも述べた「着地時に着地脚の踵で地面を後側に引っ掻くように」ということです。

(こちらを参照→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/3-4254.html

 

このことを意識していれば、「つま先を上げる」ことを意識しても、前にブレーキをかけたり、上から下に叩き付けたりするような動きにはならず、怪我のリスクも低減され、速く歩けるようになる(これはあまり重要でないかもしれません)と考えられます。

加えて、「つま先を上げる」ことを意識することには、もうひとつ利点があることがわかりました。それは、ヒールロッカーという踵を支点として脚部全体が前方に移動する機能をより有効に働かせることができるです。

ここで「踵を支点として」と書きましたが、この捉え方は、以前に述べた「腰(股関節)を支点とした脚部の振り子運動」に対して「逆振り子運動」とも呼ばれているものです。

(こちらを参照→ http://nordic-walk.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/1-061f.html

 

そして、この「逆振り子運動」が有効に機能することで、着地後に、着地脚と同側の腰が前方に乗り込む感覚が得られなすくなると推測されます。

その際には、着地脚と同側の腸腰筋が伸展しますので、所謂「お腹の引き締め効果」が得られるものと思っています。

 

以上まとめますと、「つま先を上げる」ことを意識するとともに「着地時に着地脚の踵で地面を後側に引っ掻くように」意識することによって、怪我のリスクも低減され、速く歩けるようになると考えられます。

 

なお、上記した一連の動作をノルディック・ウォーキングにおいて行うことで、以下の効果があると考えています。

①つま先を上げることによる不安定さが軽減される

②着地後に、着地脚と同側の腰が前方に乗り込む感覚が、反対側のポールを後ろに突くことで得られやすくなる

 

以上です♪

2015年2月11日 (水)

「変形性膝関節症は拇趾球歩きで克服できる」を読んで考えたこと

田中瑞雄先生のこの書籍のことは、福岡大学の田中宏暁教授に教えていただきました。
タイトルに「拇趾球歩き」とあり、アウトエッジ荷重(=外旋)のポイントを置いていた私としては、「拇趾球歩き(=内旋)のどこが?」というのが第一印象だったのですが、いろんな意味で、考えさせていただいた1冊となりました。
以下、まだまとめきれていないところもありますが、どのように考えさせていただいたかを中心に述べたいと思います。

【1】私の結論らしきこと
以下の①~④のことを考えました(とりあえず、今の時点での結論らしきことです)。
①これまで私は、所謂「足の煽り」、と言うよりも脚部に外旋モーメントをかけて、アウトエッジ荷重する歩き方が、速く前に進める歩きかたであり、かつ、足に(=膝にも股関節にも)負担をかけない歩き方であると考えていました。
②しかし、その前提として、歩隔が狭い(概ね左右の股関節の間隔よりも著しく大きくならない程度)ことがあったということに気付きました。
③歩隔が広い(左右の股関節の間隔よりも著しく大きい)場合には、田中先生の書かれているように、アウトエッジ荷重しない拇趾球歩きの方が足への負担は低い、ということに始めて気付かされました。
④ただし、歩隔が広い場合には、ノルディック・ウォーキングなどで狭い歩隔でも歩けるようにすることの方が膝などへの負担は軽減されるのでは、という考えはまだ持っています(検証はこれからです)。

【2】「変形性膝関節症は拇趾球歩きで克服できる」における田中先生の考えのまとめ
ア.小趾球歩きがO脚(見せかけのO脚から真のO脚へ)の原因となり、その結果としてOA膝となる、そして、OA膝は拇趾球歩きで克服できる。
それぞれの歩き方は以下のとおり。
・小趾球歩き:終始第5趾列で荷重を支え、最後は小趾球部で弱々しく蹴って離地する歩き方。
・拇趾球歩き:かかとが地面に接地したら、そこから意識的に直接拇趾球部に荷重を移すように、第1趾列だけを意識して歩く歩き方
イ.小趾球歩きをするに至った理由:
「正常歩行の拇趾球での蹴りに疲れ果て、それを不経済と感じた=第5趾列荷重である小趾球歩きが脚を疲れさせない楽な踏ん張り方であると足自身が知っている」ため。
ウ.田中先生の「OA膝」の定義:
OA膝」とは、小趾球歩きによる見せかけのO脚が生み出す内側FT関節(大腿骨と脛骨とで作る関節)に限局した一連の疼痛性疾患の総称である。その発症は、大腿骨内顆と内側半月前節部とのインピンジメントに起因し、続発する内側々副靭帯拘縮によって内側FT関節の関節軟骨の破綻を結果し、ついには真のO脚変形すなわち内反膝を結果する。
エ.田中先生の「OA膝」の分類=4つのステージ:
・ステージ1:内側FT関節の痛みはあるが、関節軟骨の破壊を認めない真のOA膝の前段階
・ステージ2:関節軟骨に浅い潰瘍所見を認める真のOA膝の初期段階
・ステージ3:関節軟骨の深い潰瘍が軟骨下骨に達しているOA膝の進行した段階
・ステージ4:軟骨下骨が摩耗しているOA膝の最終段階

【3】「変形性膝関節症は拇趾球歩きで克服できる」に対する私の考え
ア.私は、歩隔が狭い場合では、小趾球歩きをしてもO脚にはならず、OA膝にもならないと推測しています。
(先述したように、「狭い」というのは、概ね左右の股関節の間隔よりも著しく大きくならない程度だと捉えていますが、学術的な裏付けがある訳ではないことをご了承ください。)
むしろ、歩隔が狭い場合では、拇趾球歩きをすることで、大腿部に無理な内旋モーメントが働いて、股関節を痛めてしまう結果になるのではと危惧します。
イ.一方で、歩隔が広い場合には、田中先生と同様、小趾球歩きがO脚、さらにはOA膝の原因となるものと考えるに到りました。
ここにおいて、歩隔が広い場合で歩こうとするのはどのような場合か、について考えてみると、私がまず思いつくのは、歩隔を広くしないと不安定となり、危険を感じてしまう場合です。(不安定となる原因としては、様々な機能(筋力、視力、聴力、脳・神経系(反射神経・運動神経))の低下によるバランス感覚の低下、体重の増加等が考えられます。)
そして、この場合は、さらに安定化を図ろうとして、着地の際に、
①足底がフラットな状態で着地する
②膝関節をある程度屈曲させてしまう
ということが起こることから、O脚の原因につながるものと推測します。
そのため、歩隔が広い場合においては、OA膝を防止するために、拇趾球歩きをすることの意義は大きいものと推測します。
ウ.ただし、拇趾球歩きに意義があるのは、上記したように、歩隔が広い場合においてであり、歩隔が狭い状況では小趾球歩きをしても特に問題がないものと推測します。そのため、何らかの方法で不安定要因を取り除くことができれば、狭い歩隔で歩くことが可能となり、O脚→OA膝の危険性を取り除くことが可能と考えます。
不安定要因を取り除く一つの方策として、ノルディック・ウォーキングがあり得るのではないかと思っています。
その理由は、ノルディック・ウォーキングでは、両手にウォーキング・ポールを持つことにより3点支持と4点支持を交互に繰り返して、安定して歩くことが可能となるとともに、体幹部の筋肉を鍛えることが可能で、バランス感覚を維持・向上させることが可能だと考えるからです。
一方で、拇趾球歩きでは、歩隔を広くしないと不安定となるといった大本の原因を解決している訳ではないため、歩隔が更に広くなるリスクがあるのではないかと危惧します。
エ.「OA膝」の定義に関して(私の試みの考え)
OA膝」とは、バランス感覚の低下によって歩隔が広くなることで、O脚が生み出す内側FT関節に限局した一連の疼痛性疾患の総称である。・・・と田中先生の考えを元に、「歩隔が広くなること」といったより大本の原因に言及できるよう修正を加えることができるのではと思っています。
オ.「OA膝」の分類に関して(私の試みの考え)
OA膝」の分類に関しても、田中先生の考えを元に、以下のように「歩隔」に言及して修正を加えることができるのではと思っています。
・ステージ1:歩隔を広くすることで、内側FT関節に負荷がかかり始める(orある閾値を超える)段階、関節軟骨の破壊を認めない真のOA膝の前段階
・ステージ2:歩隔を広くすることで内側FT関節に負荷がかかり、その結果として、関節軟骨の破壊が始まるOA膝の初期段階
・・・

以上、まだ発展途上の部分もあるとは思いますが、現時点の考えをまとめさせていただきました。
(誤りのご指摘やコメント等、歓迎いたします。)

2014年6月14日 (土)

「肩甲骨ストレッチ」としての「∞(無限大)腕振り」

「∞(無限大)腕振り」の「肩甲骨ストレッチ」としての可能性について考えてみました。

 

前回「∞(無限大)腕振り」を書きながら、「これは肩甲骨の動的ストレッチの一種になるのかなぁ」とおぼろげながら思っていたのですが、特に確認することもなく、今まで経過しました。

が、何となく気になる状態が続いているため、「そもそもストレッチとは何か?」というところから、簡単に調べてみました。(と言っても、ほとんどがウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81)で確認しただけですが・・・)

 

その結果、世間で一般的に「ストレッチ」と言われているものは、だいたい以下の4つに分類されていることが分かりました。

①静的ストレッチ(スタティックストレッチ)

②動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)

③反動ストレッチ(バリスティックストレッチ)

④(徒手)抵抗ストレッチ(PNFストレッチ)

※③は②の中に含まれるという考え方もあるようです。

※④「(徒手)抵抗ストレッチ」とは、本来は抵抗を加えてくれる補助者と二人で実施するもので、「コントラクト・リラックス」と「ホールド・リラックス」や「アイソトニック法」と「アイソトリック法」に分類されることもあるようです。(PNFというのは理学療法士の専門用語で、資格と関係するもののようなので、ここでは対象から外します。)

 

以上のように「ストレッチ」に関しておさらいした後で、今一度「∞(無限大)腕振り」を見直してみます。

 

すると、初めに書いたように、私が「∞(無限大)腕振り」が分類されると思っていた②「動的ストレッチ」は、実はラジオ体操のような動きを言い、どちらかというと普通の腕振りが該当するようで、どうもこれには当たらないようです。

 

代わって、「∞(無限大)腕振り」は、両手の筋肉(というか実際には「肩甲骨」を動かす筋肉)が、「∞(無限大)」の軌跡を描く際に、反対の手(肩甲骨)から抵抗を受けていることから、④「(徒手)抵抗ストレッチ」に分類されるものと思われました。

 

ここで、それぞれの手(肩甲骨)が動いている方向と、手の筋肉(肩甲骨周辺の筋肉)がうける抵抗の向きには「コンセントリック」(短縮性)と「エキセントリック」(伸縮性)の2つの場合があることがわかります。

このことから、「∞(無限大)腕振り」では、一方の手の筋肉(というか実際には「肩甲骨」を動かす筋肉)が抵抗をかけることで「コンセントリック」収縮し、もう一方の手の筋肉(こちらも「肩甲骨」を動かす筋肉)は抵抗を受けることで「エキセントリック」収縮していることがわかります。

そして、左右の手(肩甲骨)は「コンセントリック」収縮と「エキセントリック」収縮を交互に繰り返すことになります。

なお、この時かかっている(受けている)抵抗はほぼ一定であると思われることから、「アイソトニック法」に分類されるものと捉えています(一定であることの確証はなく、どちらかといえば、「アイソキネティック」に近いのかもしれませんが・・・)。

また、「「(徒手)抵抗ストレッチ」は、本来は抵抗を加えてくれる補助者と二人で実施するもの」と書きましたが、「∞(無限大)腕振り」では、反対側の手が補助者の役割を果たしてくれるため、ひとりでもできる「(徒手)抵抗ストレッチ」となっていると思われます。

 

以上より、「∞(無限大)腕振り」は、

「コンセントリック」収縮と「エキセントリック」収縮を交互に繰り返す、

「(徒手)抵抗ストレッチ」の「アイソトニック法」に分類される、

ひとりでできる「肩甲骨ストレッチ」、

と言うことができると思います。

 

以下、補足です。

・前回、「「∞(無限大)」を描くように、目の前で合せた指先を動かす」と書きましたが、動かす方向には二つの方向があります。「「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」③離地直前にお尻で着地脚の踵を後ろに押す(その1)」で書かせていただいた「フォワードサイクル」と「バックワードサイクル」の二つの方向です。これまで、実際に動かす方向としては「バックワードサイクル」を推奨してきましたが、ストレッチは柔軟性を高めて可動域を広げるのが目的であることから、両方の方向で実施するのが有用だと思っています。

・前回、「目の前で左右の指先を合せる」と書きましたが、不安定な場合には掌を合わせても構わないと思っています。ただし、掌を合わせると、松村先生の言う「身体の末端を制御する」ことからは、少し外れるかもしれません。

2014年6月 8日 (日)

「∞(無限大)腕振り」(「腕を振るな、肩甲骨を回せ!」その後)

「肩甲骨をバックワードで大きく回転させることで、骨盤の回転(この場合もバックワード)も大きくなり、その結果、速く(または身体に優しく)歩けるようになる」と述べました。

また、この肩甲骨の回転をサポートするものとして、ノルディック・ウォーキングが有用であると捉えている旨を述べました。

 

ただし、このように述べてから今までの約1ヶ月を振り返ってみると、決してノルディック・ウォーキングの有用性が実績に結びついていないのみならず、加えて「第6回南部忠平杯大阪マスターズ陸上競技大会(結果報告)」で述べたように、ノルディック・ウォーキングのポールで突くことを意識から外すことが課題となってきたように感じています。

 

そのような時に、松村卓先生の「「骨ストレッチ」ランニング」(講談社+α新書)を読ませていただきました。

そして、この本の考え方を取り入れて(というか勝手に解釈して)考えてみたのが標題の「∞(無限大)腕振り」です。

と言っても、純粋な腕振りではありません(そもそも、「腕を振るな」と自分で書いているので)・・・ですが、この動きが肩甲骨の回転、更には骨盤の回転へと結びつくものとして、捉えているので披瀝させていただきます。

 

このような「∞(無限大)腕振り」ですが、具体的な手順は以下の通りです。

①目の前で左右の指先を合せる

(「松村先生流では親指と小指だけを合せる」ということになるのかもしれませんが、この方が安定するように感じるので、とりあえずはこれのように書かせていただきました。慣れれば親指と小指だけの方がいいかもしれません。)

②ゆっくりと「∞(無限大)」を描くように、目の前で合せた指先を動かす

③次第に大きく動かし、肩や肩甲骨の動き(回転)も意識する

④できれば骨盤の回転も意識して、肩や肩甲骨と合わせて動かす

⑤できれば歩いてみる

 

このような感じとなります。

「肩甲骨を回せ!」を書いた時と比較すると、回し方が「バックワードサイクル」から「∞(無限大)」となったことが変わったといえば変わったところではありますが、それよりも肩甲骨に軽く負荷をかけて動かす(松村先生のことばでは「身体の末端を制御する」ということになります)ことの方が大きな変化(できれば「進化」であって欲しい)だと思っています。

2014年5月17日 (土)

「腕を振るな、肩甲骨を回せ!」の補足

「肩甲骨をバックワードで大きく回転させることで、骨盤の回転(この場合もバックワード)も大きくなり、その結果、速く(または身体に優しく)歩けるようになる」と述べたことに関連して、気付いたことを少し。

 

①そもそも、肩(肩甲骨)のバックワードサイクルは、武道やナンバ歩き(走り)などを検討して二軸動作を基礎とする常歩(なみあし)にたどり着いた、常歩(なみあし)身体研究所( http://www.namiashi.net/ )の考えに基づいたものです。

そのため、当然「ナンバ」の動きと共通するところはあっても不思議ではないのですが、以下の点を改めて感じました。

 

それは、「ナンバ若返り法」金田伸夫著(三笠書房・知的生きかた文庫)にある「手を押し下げるナンバ」と「手を引き上げるナンバ」です。

それぞれ、手を押し下げたり引き上げたりしながら歩くことで「ナンバ」の動きが得られるというものですが、「肩甲骨をバックワードで大きく回転させる」ことでも、同じような手の動きとなります。

(細かいことを言えば、「手を押し下げるナンバ」では私が感じているタイミングと少し違うように思えるのですが、ここでは触れません。)

 

すなわち、「肩甲骨をバックワードで大きく回転させる」ことの結果として、「手を押し下げる」タイミングと「手を引き上げる」タイミングが生じるのですが、それぞれにポイントを置いたのが、「手を押し下げるナンバ」と「手を引き上げるナンバ」だと思われた訳です。

 

と言いましたが、本当のところは、むしろ、「肩甲骨をバックワードで大きく回転させる」ことと言っても具体的な動作がイメージできない場合に、「手を押し下げる」あるいは「手を引き上げる」ことにポイントを置くことで、具体的な動作を取りやすくした、のかもしれません。

 

いずれにしても、「肩甲骨をバックワードで大きく回転させる」ことは「ナンバ」の身体に優しい動きに通じるものだと改めて感じられました。

 

②よく「正しいウォーキング」のポイントとして挙げられていることには、以下の7つのものがあります。

1) 腕を(90度のまげて)大きく振る

2) 大股で(歩幅は大きく)

3) 膝を伸ばして踵から着地

4) つま先(親指の付け根)で蹴る

5) 顎を引いて

6) 肩の力を抜く

7) 胸を張って背筋を伸ばす

ここで、それぞれに関して、「肩甲骨をバックワードで大きく回転させる」こととの関連で、気付いたことを述べてみたいと思います。

◆「1) 腕を(90度のまげて)大きく振る」:「腕を振るな、肩甲骨を回せ!」でも述べたように、「腕振り」は、意識して腕を振るものではなく、肩甲骨を意識して回転させた結果として腕が前方に振り出され、あたかも腕を意識して振っているように見えるものだと思います。腕を大きく振ることを意識することで、肩甲骨のスムーズな回転が阻害されるようなことがあれば、勿体ないように思います。

◆「2) 大股で(歩幅は大きく)」「3) 膝を伸ばして踵から着地」:これらの動作も、意識して行うものではなく、肩甲骨を意識して回転させた結果として骨盤が大きく回転し、そのことを利用してお尻で踵を後下方に押すことで得られるものだと思います。

大股で歩くこと(遊脚を大きく前に出すこと)を意識すると、着地脚(支持脚)側の腰に後向きの力がかかってしまって、前向きの推進力を妨げる可能性があると思われますし、膝を伸ばして踵から着地することを意識すると、接地時に踵で地面を前に押してしまう(ブレーキをかけてしまう)可能性が高くなるように思われます。

◆「4) つま先(親指の付け根)で蹴る」:肩甲骨をバックワードで回転させることで、骨盤もバックワードで回転し、お尻で踵を後下方に押すことにつながります。ここで、地面を意識して蹴る(いうよりは押すに近い感覚)のはあくまでも踵であって、最後に地面から離れるのはつま先だとしても、それは意識したものではなく、結果としてそうなるものだということを認識する必要があるものと思います。意識してつま先で蹴るためには、膝が曲がった状態とする必要があり、曲がった状態で膝に力を加える結果となって、膝を痛める可能性があるように思います。

◆「5) 顎を引いて」:肩甲骨のバックワード回転と直接関係はありませんが、顎を引きすぎると肩甲骨周辺の筋肉が固まってしまってリラックスできないため、顎は少し前に出すことを意識した方がいいと思う旨を書きましたので、ご参照ください(「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」①骨盤を前傾させる)。

◆「6) 肩の力を抜く」「7) 胸を張って背筋を伸ばす」:特に問題はないと思います。肩甲骨を回す際に、肩の力を抜くことで、自然と腕が振られることにつながると思いますし、「胸を張って背筋を伸ばす」ことは骨盤を前傾させることとほとんど同じことだと思われます。

「「浮き指」と骨盤の前・後傾」

(「ワルツのリズムで優しく歩こう♪」①骨盤を前傾させる の補足)

 

足の指を地面につかずに歩いている「浮き指」が問題になっています。

ここで「浮き指」とは、「足指が地面に接地せずに、足指を浮かせて指の付け根部分で歩いてしまう歩き方」のことを言います。

そして、一般的にはこの「浮き指」が、膝痛、腰痛、首痛の原因となっているとされているようです。

また、最新の『日経ヘルス』20146月号では、「ブス脚、垂れ尻は“浮き指歩き”が原因だった」という記事も掲載されています。

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20140424/179243/?rt=nocnt

すなわち、膝痛、腰痛、首痛(およびブス脚、垂れ尻?)を防ぐために「浮き指」を治しましょう、ということで、例えばインソールを入れたり足指を鍛えたりすることが提案されているようです。

もちろん、これらの方法が継続して紹介されているということは、一定の(もしくはかなりの)効果があるためだと思いますが、私の率直な印象としては、そもそも重心が後側に偏っているから「浮き指」になるのではないかと思っています。

 

重心が後側に偏る原因は一つではないと思います。詳しいことは私もわかってはいないのですが、少なくとも骨盤の後傾が、重心が後側に偏る一つの原因なのではと推測しています。

そして、重心が後側に偏ることで「浮き指」になるとともに、膝痛、腰痛、首痛(およびブス脚、垂れ尻?)の原因にもなっているのではないかと推測します。

すなわち、「浮き指」が、膝痛、腰痛、首痛(およびブス脚、垂れ尻?)の原因なのではなく、骨盤後傾が原因(の一つ)で、「浮き指」は、膝痛、腰痛、首痛(およびブス脚、垂れ尻?)とともに、骨盤後傾の結果ではないかと考えています。

 

このような考えが正しいとすれば(という前提の上でのこととなりますが)、重心を前側(もちろん極端な前側ではありません)にもってくることで、自然と足の指を動員しないと立てない状況ができ、「浮き指」が防ぐことができるのではと思っています。

(ただし、既になってしまった「浮き指」を治すのにどの程度の効果があるかはよくわかりません。)

 

そして、骨盤後傾が、重心が後側にくることの原因(の一つ)であるならば、重心を前側にもってくるためには、骨盤前傾が有効な方法(の一つ)であるとの推論は、自然と導かれるものだと思われます。

すなわち、骨盤前傾によって重心を少し前側にもってくることで足の指を使わないと立てない状況を作り、「浮き指」を防ぐことができると推測します。

そして、重心を少し前側にもってくることで、鉛直方向以外の力(前後の方向にかかる力)をできるだけなくして、膝痛、腰痛、首痛の軽減にもつながる可能性があると思います。(ただし、そのためには左右の偏りをなくして、左右の方向にかかる力もなくす必要があると思われます。)

なお、ブス脚、垂れ尻の定義はよくわかりませんが、骨盤前傾によってハムストリングスや大臀筋といった股関節を伸展させるための筋肉が自然と使われるため、脚部、臀部の筋量増、脂肪量減につながる可能性もあるものと推測します。(腰の前方あたりにある腸腰筋でも同様と思われるため、下腹部の効果もあるように思います。)

 

なお、「浮き指」を防ぐためにインソールを入れたり足指を鍛えたりすることは、足指で地面を押せる状況を作ることはできるとは思いますが、重心を前側に移動させることなく足指で地面を押せる状況を作ることだけでは、骨盤後傾が進展しないかと危惧します。

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